マーケティング戦略の重要性とは?
マーケティング手法やフレームワーク・手順について解説!
商品やサービスの売上を伸ばすためには適切なマーケティング戦略を策定し、実行することが欠かせません。 マーケティング戦略を策定したいと思っている企業の担当者のなかには、どのようなマーケティング手法があるのかわからない、策定手順について知りたい方も多いのではないでしょうか。
この記事では、マーケティング戦略を検討する方へ向けて、BtoCにおけるマーケティング戦略の重要性や策定手順、有効なフレームワークを解説します。
1.マーケティング戦略の概要
マーケティング戦略を策定する前に、まずはマーケティング戦略とは何なのかを理解することが重要です。マーケティング戦略の概要や重要視される背景について解説します。
1-1.マーケティング戦略とは
マーケティング戦略とは、商品やサービスの市場(消費者)へのアプローチ方法について、さまざまな条件を調査したうえで決定することです。
基本的に消費者のニーズや自社状況に基づいて策定します。具体的には、 商品やサービスについて「誰に」「どのような価値を」「どのくらいの対価で」「どのように」提供するのが最適なのか を検討し、方針を定めます。
1-2.そもそもマーケティングとは
マーケティングという言葉の意味についてはさまざまな定義がありますが、 一言で言うと「商品やサービスが売れる仕組みを作ること」 です。具体的には、市場調査・商品開発から広告宣伝・販売、効果検証をするまでの一連のプロセスを、一貫して計画して実行・管理することで「売れる仕組み」をつくることが本来のマーケティング活動の範囲とされています。
ただし、日本の企業では「プロモーション」や「調査」を行う部署をマーケティング部としていることも多いため、「広義のマーケティング」と「狭義のマーケティング」があることを認識しておくといいでしょう。
1-3.マーケティング戦略が重要な理由
現代では、スマートフォンやSNSの普及により顧客の手にする情報が多くなり、購入に至るまでのカスタマージャーニーが複雑化してきているため、商品やサービスの価値を高めるだけでは、消費者に選んでもらうことが難しくなってきています。そのため、 ターゲットとなる消費者のニーズに合わせて商品・サービスを開発したうえで、販売方法・販売場所・PR方法などを工夫する必要があります。 企業が今の社会で成果を上げるためには、消費者に商品を知ってもらい、買ってもらうためのマーケティング戦略が必須です。
さらに、マーケティング戦略を策定することは、経営資源(ヒト・モノ・カネ)の無駄を省くことにもつながります。カスタマージャーニーについて、より深く知りたい場合は下記の記事をご覧ください。
1-4.マーケティング戦略の変化
かつては、マーケティングにおける販売促進方法として、テレビや新聞・雑誌広告を活用し、広範囲の消費者を対象とした「マスマーケティング」が選択されることがほとんどでした。しかし現在では、さまざまなデジタルテクノロジーを活用し、企業がターゲットとする顧客へ直接的なアプローチをすることができる「ダイレクトマーケティング」や、Webサイトやブログ・SNSなどで情報を発信し、顧客に自社を見つけてもらい、見込み顧客を育成する「インバウンドマーケティング」など、さまざまな「デジタルマーケティング」の手法が選ばれるようになってきています。消費者の情報収集方法が変化したことにより、これまでのマーケティング戦略では消費者に印象付けるのが難しくなってきています。そのため、 消費者のさまざまなデータの収集・分析・活用ができる「デジタルマーケティング」を取り入れ、顧客の志向にあわせたアプローチを行えるようにすることが重要です。
2.マーケティング戦略の策定手順
マーケティングを成功させるには、適切な戦略を策定することが欠かせません。ここではマーケティング戦略を策定するための手順を解説します。
2-1.内部・外部の環境分析
マーケティング戦略を策定するためには、消費者ニーズはもちろん、市場動向や競合企業情報などの「外部環境」の分析が必要です。さらに、自社の状況も踏まえて考えていくことが重要です。自社の市場における立ち位置や、自社の強み・弱みなどの内部環境の分析もあわせて行いましょう。
2-2.ターゲット層の絞り込み
商品・サービスをどんな消費者にアプローチしていくのか、ターゲット層を絞り込むことも重要です。そのためには、 ターゲットとなる消費者をニーズや特性によって細分化して考える「セグメンテーション」と、そのなかで対象を絞り込む「ターゲティング」が必要です。 たとえば、コスメのマーケティングにおいて、10代・30代・50代を対象にする場合、年代によって求めている機能や予算、購入場所、適した宣伝方法などが異なります。どのセグメントを狙うのか、ターゲット層を明確にしたうえで、有効なマーケティング戦略を検討しましょう。セグメンテーションについては以下で解説しています。ぜひあわせてご覧ください。
2-3.バリュープロポジションの明確化
バリュープロポジションとは、自社商品やサービスによって消費者が受けられる利益のことです。ここでは、自社商品やサービスの品質や価格、利便性などによって、消費者がどのような価値を得られるのかを明確にします。 バリュープロポジションを明確にすることで、競合との差別化において優位に立てるポイントを把握できます。
2-4.マーケティングミックスの実施
マーケティングミックスとは、マーケティング全体における複数の観点を組み合わせることを言います。具体的には「製品(Product)」「価格(Price)」「流通(Place)」「プロモーション(Promotion)」といったマーケティングで大切な4Pがあげられます。
マーケティングミックスを実施する際には、4Pがそれぞれ矛盾しないように注意することが重要です。 近年では、4Pの要素を消費者視点でとらえる4Cも注目されています。
マーケティングミックスについては以下で解説しています。ぜひあわせてご覧ください。
2-5.マーケティング戦略の実行・分析
マーケティング戦略について入念に検討を重ねたうえで実行しても、当初の目標を達成できないケースも少なくありません。 思わぬ戦略のミスがあったり、市場状況や消費者のライフスタイルが変化したりするなど、都度適切な戦略が変わることもあります。 マーケティング戦略が定まったら、最適なマーケティング手法を選択して施策を具体化し、実行しましょう。また、実行後は定期的にブラッシュアップすることが大切です。
3.代表的なマーケティング手法
マーケティングは、大きくわけると「リアルマーケティング」と「デジタルマーケティング」に分類されます。本記事では、BtoCビジネスにおける代表的なデジタルマーケティングの手法を紹介します。
3-1.データドリブンマーケティング
データドリブンとは「データによって動かされる」という意味で、データドリブンマーケティングでは、データをもとにさまざまなことを判断するマーケティング手法のことをいいます。 勘や経験による直感的な判断ではなく、客観的なデータによる意思決定を行うことで、マーケティング施策の成功率を高め、大きく失敗するリスクを抑えることができます。 データドリブンマーケティングについて、より深く知りたい場合は下記の記事をご覧ください。
3-2.Webマーケティング
デジタルマーケティングのなかでもWebに特化したマーケティング手法で、Webサービスを通じて営業活動や販売活動を行うことです。Webでのアクセス数やユーザーの動きを収集・分析し、売上につなげます。
3-3.コンテンツマーケティング
ユーザーにとって 役立つコンテンツを提供することで信頼関係を築き、売上につなげる、Webマーケティング手法のひとつです。 利用するメディアは特には決まっていませんが、一般的にWebサイトやブログが利用されています。これからコンテンツマーケティングを始める場合はCMSの利用がおすすめです。コンテンツマーケティング、CMSについては以下で解説しています。ぜひあわせてご覧ください。
3-4.SNSマーケティング
InstagramやTikTokなどのSNSを活用したコンテンツマーケティング手法のひとつです。消費者とのコミュニケーションを図り、身近に感じてもらうことで自社のファンを拡大できます。カジュアルな親しみやすさを演出したい場合に効果的です。
3-5.動画マーケティング
動画を作成し、商品の魅力をアピールするコンテンツマーケティング手法のひとつです。現在ではYouTubeの浸透によって動画を活用する個人や中小企業が増えています。 動画は1分間にWebサイト3,600ページ分の情報があるとも言われており、多くの情報をわかりやすく発信できるため、訴求力の高さが魅力です。動画マーケティングについては以下で解説しています。ぜひあわせてご覧ください。
3-6.ファンマーケティング
自社商品やサービスへの熱烈なファンを増やし、中長期的に成果を得るためのコンテンツマーケティング手法のひとつです。 リピーターだけでなく、口コミによる新規獲得にもつながります。 特に成熟市場におけるマーケティングでは商品の差別化が難しいため、ファンマーケティングが有効です。顧客のロイヤルティを高めて口コミや情報発信といった行動を促進し、中長期的に売上を伸ばすマーケティング手法として、ファンマーケティングやUGCが注目されています。ファンマーケティング、UGCについては以下で解説しています。ぜひあわせてご覧ください。
3-7.One to Oneマーケティング
顧客一人ひとりにあわせたマーケティングを行う手法です。どの顧客にも同じマーケティングを行うのではなく、 見込み客の興味や趣向、属性などにあわせてそれぞれ違ったアプローチを行います。 One to Oneマーケティングを実現するためには、顧客一人ひとりの購買情報や行動情報の分析を行うCDP(Customer Data Platform、カスタマーデータプラットフォーム)の導入も必要です。CDPについて詳しくは、下記の記事をご覧ください。
4.マーケティング戦略策定に役立つフレームワーク
意思決定や分析の際に利用される「考え方の枠」のことをフレームワークと言い、ビジネス上では頻繁に利用されています。ここではマーケティング戦略を考えるうえで有効なフレームワークについて代表的なものをいくつか紹介します。
4-1.STP分析
STPは「Segmentation(セグメンテーション)」「Targeting(ターゲティング)」「Positioning(ポジショニング)」のことで、分析する際はセグメンテーション→ターゲティング→ポジショニングの順に行います。
前述したように、 セグメンテーションは市場の細分化、ターゲティングとはターゲットの絞り込みです。また、ポジショニングとは、市場で優位に立つために自社商品の価値を把握し、訴求方法を決定することを指します。
4-2.4P分析
4Pとは前述した通り「製品(Product)」「価格(Price)」「流通(Place)」「プロモーション(Promotion)」のことです。
ターゲット層の特性やポジショニングによって、4Pをどのように組み合わせると最適なのかは変わります。そのため、マーケティング戦略で取り入れる場合は STPを優先して検討し、その後に4P分析を行うといいでしょう。
4-3.4C分析
4Cとは「Customer Value(価値)」「Cost(かかる費用)」「Convenience(利便性)」「Communication(コミュニケーション)」のことで、 4Pと対応していることから組み合わせて使われることが多いフレームワークです。 消費者目線になってマーケティング戦略を分析・調査するのに役立ちます。
4-4.3C分析
3Cとは「Customer(市場・消費者)」「Company(自社)」「Competitor(競合他社)」のことで、 マーケティング環境を分析するためのフレームワーク です。市場や消費者のニーズ、自社の立ち位置や競合の状況などを分析します。
4-5.SWOT分析
内部環境である「Strength(強み)」「Weakness(弱み)」、そして外部環境の「Opportunity(機会)」「Threat(脅威)」を分析し、自社の状況を確認するためのフレームワークです。マーケティング戦略を策定する際に、自社の内部・外部の環境を分析する段階で活用され、 現状を整理することで課題発見とその解決に必要な対応を決定します。
4-6.PEST分析
PESTとは「Politics(政治)」「Economy(経済)」「Society(社会)」「Technology(技術)」のことで、外部環境に視点を置いたフレームワークです。 定期的にPEST分析することで、刻々と変化する市場環境への対応方法が検討できます。
5.まとめ
企業の売上を上げるには適切なマーケティング戦略の策定と実行が欠かせません。有効なマーケティング戦略を策定するためには、正しい手順と適切な手法の活用が必要です。ぜひ、今回の記事で解説している内容を参考にしてください。
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