SaaS型ECとは?
従来のECサイト構築方式との違いやメリットを解説!

SaaS型ECとは

SaaS型ECとは、クラウド上のECシステムをサービスとして利用する構築方式です。ECサイトの新規構築やリニューアルでは、初期投資、店舗とECの連携、既存システムとの接続、将来の拡張性などを踏まえ、自社に適した基盤を選定することが重要です。

この記事では、ECサイトの構築・リニューアルを検討している流通・小売企業のEC担当者の方へ向けて、SaaS型ECの仕組みや従来型との違い、導入メリットと確認すべきポイントについて解説します。ぜひお役立てください。

1.SaaS型ECとは?

SaaS型ECとは、クラウド上で提供されるECシステムをインターネット経由で利用し、自社のECサイトを構築・運営する方式です。自社でサーバーを用意したり、システムを一から開発したりする必要がなく、ベンダー側で保守やアップデートが行われるため、比較的短期間で導入しやすい点が特徴です。

また、サービスによっては標準機能に加えて外部システムとの連携やカスタマイズにも対応し、店舗とECをまたぐオムニチャネル・OMO(Online Merges with Offline:実店舗、EC、SNSなどの垣根を越えて、一貫して最適なサービスを顧客に提供すること)の導入や複数ブランド管理にも活用できます。事業の成長に応じて機能を拡張しやすい点も特徴です。主な連携例は以下の通りです。

  • 基幹システム連携
  • 在庫情報連携
  • 店舗POS連携
  • 会員情報統合
  • CDP連携
  • CRM連携
  • 複数ブランド運営
  • マルチチャネル/オムニチャネル
  • ヘッドレスコマース
  • エージェンティックコマース など

オムニチャネル、OMOについては以下で解説しています。ぜひあわせてご覧ください。

2.SaaS型ECは従来のEC構築方式と何が違う?

SaaS型ECと従来のEC構築方式の大きな違いは、保守やアップデートをベンダー側に任せながら、クラウド上のシステムを継続的に利用できる点です。ECサイトの構築方式には、SaaS型のほかにパッケージ型やフルスクラッチ型があります。

パッケージ型は、既製のECソフトウェアを導入し、自社の要件に合わせてカスタマイズする方式です。自由度は高いものの、個別改修やバージョンアップに費用がかかりやすい傾向があります。フルスクラッチ型は、ECシステムをゼロから独自開発するため、業務要件に合わせやすい一方、開発費や構築期間、保守負担が大きくなります。SaaS型ECは個別開発の自由度では劣るものの、最新機能を利用しやすく、保守負担を抑えやすい方式です。

3.altcircleが提供するSaaS型ECのメリット

altcircle(オルトサークル)が提供するSaaS型ECは、さまざまなSaaSや周辺ソリューションを組み合わせ、流通・小売業界の業務に合わせて構成できます。ここでは、OMOや機能拡張など、導入による4つのメリットを解説します。

3-1.OMOや業界特有の機能を組み込みやすい

流通・小売業界では、店舗とECをまたいだ購買体験を設計するため、OMOに対応した機能が欠かせません。altcircleのSaaS型ECでは、店舗在庫表示や店舗受取、試着予約など、店舗とECをつなぐ機能を組み込みやすくなっています。

また、業界や販売形態に応じたテンプレートを活用できる点も特徴です。たとえばTV通販向けには、番組検索や放送商品販売、放送計画管理などの機能が用意されています。業界特有の要件を一から設計する負担を抑えられるため、短期間での立ち上げにもつなげやすくなります。

3-2.目的別のSaaSを組み合わせて構成できる

必要な機能を1つのECシステムだけでまかなうのではなく、目的別のSaaSを組み合わせられる点もaltcircleの強みです。EC基盤に加え、商品情報を一元管理する「PCS」、在庫情報の一元管理と自動引き当てを実現する「SCS」、店舗連携「ROS」、受注・出荷管理「Store OMS」などの周辺SaaSを組み合わせて構成できます。

そのため、導入時からすべての機能をそろえるのではなく、優先度の高い領域から導入し、事業や販売チャネルの拡大に合わせて段階的に機能を追加できます。自社の課題や業務に応じて、必要な機能を選びながらEC基盤を整えられる点がメリットです。

3-3.API連携によって機能を拡張できる

ECサイトを長く運用するには、将来的な機能追加や外部サービスとの連携にも対応できる構成が重要です。altcircleが提供するSaaS型ECでは、APIを活用してEC基盤と周辺システムをつなぎ、必要な機能を拡張できます。

たとえば、受注管理や在庫管理などのシステムと連携すれば、複数業務をまたいだデータ連携や自動化を進めやすくなります。さらに、AIによるレコメンドや商品説明文の生成なども取り入れやすくなり、顧客体験の向上と運用負荷の軽減の両方につなげられます。

3-4.複数チャネルを一元管理できる

自社EC、ECモール、実店舗を並行して運営すると、商品・在庫・受注情報が分散し、確認や更新の手間が増えやすくなります。altcircleのSaaS型ECでは、商品情報管理や在庫管理、受注管理などの仕組みを組み合わせ、複数チャネルの情報を一元管理できます。

自社ECとモール、店舗の情報を自動連携できれば、チャネルごとの手作業を減らし、在庫状況も横断して把握しやすくなります。欠品による販売機会の損失や滞留在庫に気づきやすくなり、在庫移動や販売施策の見直しにもつなげられる点がメリットです。

4.流通・小売業界でSaaS型ECを導入するときのポイント

流通・小売業界がSaaS型ECを導入する際は、システム選定だけでなく、自社要件との適合性や店舗との連携、公開後の運用まで設計しておくことが重要です。ここでは、導入前に決めておきたい3つのポイントを解説します。

4-1.標準機能で対応できない要件を洗い出す

SaaS型ECは、EC運営に必要な機能が標準化され、継続的な機能追加やアップデートを受けられる点が強みです。一方、流通・小売では、店舗在庫の扱い、会員・ポイント連携、独自の受注処理、ブランドごとの表示要件など、固有の業務が残る場合があります。導入前に必要な機能を一覧化し、SaaSの標準機能で対応する部分と、個別開発や外部システム連携が必要な部分を切り分けておきましょう。

SaaS型ECには、標準機能を継続的に拡張しながら、個社ごとの要件に応じてカスタマイズできる製品もあります。標準機能で代替できる業務まで個別開発すると、導入後の保守や改修も複雑になりやすいため、まず標準機能に業務を合わせられるかを確認し、その上で競争力や業務上必要な要件だけを追加する整理が重要です。

4-2.店舗スタッフの業務フローを設計する

店舗とECを融合するOMOを実現するには、システム連携だけでなく、店舗スタッフが動ける業務フローまで設計する必要があります。SaaS型ECでは、店舗在庫表示、店舗受取、試着予約、EC在庫の店舗販売などを実現できても、店舗側の確認や受け渡し手順が曖昧では運用が滞ります。たとえば、EC注文を誰が確認するか、商品をいつ取り置くか、来店時にどの画面で本人確認するか、返品や店舗間の在庫移動をどう処理するかまで決めておきます。

OMOでは、店舗スタッフによる在庫移動やEC購入商品の店舗返品など、ECと店舗をまたぐ業務も発生します。既存の店舗業務へ機能を追加するだけではなく、ECとの連携によって増える作業を洗い出し、担当者・処理手順・例外時の対応まで含めて業務フローを見直すことが重要です。

4-3.構築後の運用・改善体制を決める

ECサイトは公開して終わりではなく、運用しながら顧客行動や売上データを確認し、継続的に改善する必要があります。そのため、構築段階から、商品登録や在庫更新、コンテンツ制作、キャンペーン設定、問い合わせ対応、アクセス解析、CRMなどを誰が担うのか決めておきましょう。流通・小売向けのEC支援では、構築後も顧客データや購買行動データを活用し、集客施策、CRM、コンテンツ改善、キャンペーン運用まで継続する考え方が重視されています。

また、課題抽出から仮説構築、施策実行、効果検証までを一連のサイクルとして回す体制も必要です。社内で担当する領域と外部へ委託する領域をあらかじめ分け、KPIの確認頻度や改善判断の責任者まで決めておくと、公開後に運用が止まりにくく、改善サイクルを継続しやすくなります。

5.まとめ

SaaS型ECは、保守やアップデートをベンダーに任せながら、必要な機能を継続的に利用できる構築方式です。導入時は、標準機能で対応する範囲と個別開発・外部連携が必要な範囲を整理し、店舗とECをまたぐ業務フローまで設計することが重要です。さらに、公開後の運用担当や改善体制を決め、顧客・購買データを活用しながら改善を続けることで、複数チャネルの情報を一元管理し、EC運営の効率化につなげやすくなります。

altcircle(オルトサークル)では、流通小売業界向け CXオファリングサービスや、Shopifyを活用したEC構築・運用支援サービスを提供しています。各サービスについては以下で紹介しています。ぜひあわせてご覧ください。