受注業務をデジタル化するメリットは?
課題を改善するツールも紹介!
電話・FAX・メールを中心とした受注業務では、注文内容を基幹システムなどへ手入力する必要があるため、入力ミスが発生しやすく、内容確認にも時間がかかります。また、担当者ごとに処理方法や判断基準が異なることで、業務が属人化するケースもあります。受注をデジタル化すれば、入力や確認にかかる工数の削減に加え、在庫・取引状況の可視化や、代理店への迅速な情報提供にもつなげられます。
この記事では、受注業務の効率化や売上拡大を目指す方へ向けて、受注のデジタル化が必要な理由やメリット、導入手順について解説しております。ぜひお役立てください。
1.受注業務のデジタル化が必要な理由
受注業務のデジタル化とは、電話・FAX・メールなどで受け付けていた注文処理を、Webやシステムを活用して電子化・自動化する取り組みです。受注業務のデジタル化が必要な理由は、取引のデジタル化が急速に進み、紙や手作業の業務が立ち行かなくなりつつあるためです。
企業間で商品を売買するBtoB-EC(企業間電子商取引)の市場規模は、EDIによる取引なども含め、2024年に514.4兆円へ拡大し、EC化率も43.1%に達しました。取引先がデジタルでの受発注を前提とする場面は、今後さらに増えていく見通しです。
さらに、紙の手形・小切手は2027年3月末までに交換が廃止される予定で、電子化を進めなければ手形を使った取引も難しくなります。加えて、手入力による受注データの入力ミスや転記ミス、電話・FAX対応の工数、受注状況や取引先ごとの対応方法が担当者に依存する属人化なども、アナログな受注業務で起こりやすい課題です。業務効率と取引の継続の両面から、受注業務のデジタル化は避けて通れないテーマと言えます。
2.受注業務のデジタル化によって得られるメリット
受注業務をデジタル化すると、業務工数の削減や入力・転記ミスの防止による顧客対応品質の向上、在庫・取引のリアルタイム把握、業務の標準化、代理店売上の向上など、多くのメリットが得られます。以下で順に解説します。
2-1.見積もりや受注にかかる工数やヒューマンエラーを削減できる
受注業務をデジタル化する大きなメリットは、見積もりや注文処理にかかる手作業を減らせることです。電話・FAX・メールで受注している場合、担当者が内容を確認し、システムや帳票に入力し直す必要があります。その過程で、数量や品番の打ち間違い、転記漏れ、聞き間違いなどが発生する可能性があります。こうしたヒューマンエラーは、誤出荷や納期遅延、再対応の発生を招き、顧客からのクレームや信頼低下などにつながるおそれがあります。
受注システムを導入すれば、注文内容をシステム上で受け取り、必要な情報をそのまま処理に回しやすくなります。確認や修正にかかる時間を抑えられるため、少人数でも受注業務を進めやすくなるでしょう。結果として、残業の削減や人手不足への対応にもつながります。
2-2.在庫・取引状況をリアルタイムで把握・分析できる
受注システムを使うと、在庫数や発注状況、出荷状況をリアルタイムで確認できます。紙や表計算ソフトでの管理は、情報の更新が担当者の作業に左右されやすく、現場と管理側で認識のずれが生じがちです。最新の在庫が分からないまま受注すれば、欠品や納期遅れを招きかねません。
デジタル化で在庫や取引状況が可視化されれば、在庫切れや過剰在庫の発生を防ぎやすくなります。蓄積したデータを分析すれば、売れ筋商品や発注頻度の傾向も可視化できます。経営層も最新の状況を把握でき、仕入れや販売の判断を素早く下せる点もメリットです。
2-3.属人化した業務の標準化や改善につながる
受注業務を特定の担当者の経験や判断に頼っていると、業務が属人化しやすくなります。たとえば、処理の順番や確認方法、取引先ごとの対応ルールが人によって異なると、担当者が不在の際に業務が止まったり、引き継ぎに時間がかかったりする原因になります。
受注システムを導入すれば、注文受付から処理、確認、記録までの流れを一定のルールに沿って進めやすくなります。誰が対応しても同じ手順で処理できるため、業務品質のばらつきを抑えられる点がメリットです。また、作業履歴がデータとして残ることで、非効率な工程やミスが起きやすい箇所を見つけやすくなり、継続的な業務改善にもつなげられます。
2-4.販売代理店経由の売上を向上できる
受注のデジタル化は、販売代理店経由の売上向上にもつながります。代理店が商品情報や在庫状況、価格、納期などをすぐに確認できるようになると、見積もりや注文対応をスムーズに進めやすくなるためです。必要な情報をその都度問い合わせる手間が減れば、代理店は顧客への提案や商談に時間を使いやすくなります。
また、新商品情報や販促資料、提案資料、マニュアルなどをシステム上で共有すれば、代理店への情報提供や教育にも役立ちます。商品理解が深まることで、代理店は顧客に合わせた提案をしやすくなります。商談に必要な資料や説明内容を支援できれば、販売機会の損失を防ぎ、代理店経由の受注拡大を目指せるでしょう。
3.受注業務をデジタル化できる主なツール
受注業務をデジタル化できる主なツールには、代理店ポータル、BtoB-ECプラットフォーム、受発注システムの3つがあります。3つとも特徴やカバーする範囲が異なるため、自社の課題に合わせて選ぶことが大切です。
代理店ポータル
ベンダーが代理店へ提供する情報を1か所に集約したサイトです。商品情報や販促資料、マニュアルを一斉に届けられ、代理店ごとにアクセスできる情報も分けられます。代理店は必要な資料を手軽に入手でき、営業の進捗をベンダーへ共有することも可能です。販売代理店経由の売上を伸ばしたい企業に向いています。
BtoB-ECプラットフォーム
企業間取引をオンライン上で行うための仕組みです。多数の取引先に対して商品情報や価格、在庫情報を提示し、Web上で注文を受け付けられます。取引先ごとに価格や商品を出し分けたり、マーケティング機能を活用したりできるサービスもあります。新規顧客の獲得や取引先の拡大を通じて、売上を伸ばしたい企業に向いています。
受発注システム
企業間で注文書や納品書、請求書などの取引データを電子的に交換する仕組みです。既存の取引先との受発注業務を自動化できるため、電話やFAXによるやり取り、システムへの手入力や転記作業を減らせます。特定の取引先との継続的な受発注を効率化し、入力ミスや業務工数を削減したい企業に向いています。
導入のしやすさや必要な機能は、ツールによって変わります。まずは自社の受注業務で何が課題かを整理し、課題に合うものを選ぶことが欠かせません。BtoB-ECやその活用については以下で解説しています。ぜひあわせてご覧ください。
4.受注業務をデジタル化する手順
受注業務をデジタル化するときは、現状の課題を洗い出し、合うツールを決め、小さく試してから展開する流れで進めるとスムーズです。以下で4つの手順を順に解説します。
4-1.現状の業務フローが抱える課題を洗い出す
デジタル化を始める前に、まず現状の受注業務を書き出して、何が課題かを洗い出します。「注文を受ける」といった作業でも、電話やFAXで受け付けた注文情報の入力、在庫確認、納期確認など複数の工程に分かれていることが多く、可視化すると見えていなかったムダやミスの原因がはっきりします。
洗い出しは、現場スタッフへのヒアリングが近道です。担当者しか分からない属人化した業務も多いため、現場の声を集めることで、上層部が気づかない課題まで拾えます。目的と課題を最初に明確にしておくと、次のツール選びで迷いません。
4-2.課題に合わせて導入するツールを決める
課題を整理したら、解決に必要な機能を洗い出し、導入するツールを決めます。たとえば、取引先ごとの価格設定、在庫管理、基幹システムとの連携、Web受注への対応など、自社に必要な機能をリストアップしましょう。
すべてを一度に実現しようとすると費用や導入負担が大きくなるため、優先順位を付けることが大切です。予算や導入期間、取引先にかかる手間も比較し、自社の課題に合うツールを選びましょう。複数の候補を比べると判断しやすくなります。
4-3.スモールスタートで導入し効果検証を行う
導入するツールが決まったら、いきなり全社やすべての取引先に広げず、一部の部門や協力的な取引先から試験的に始めます。小さく導入すれば、現場の使い勝手や取引先の負担、データ連携の不具合などを確認しやすくなります。
運用中に見つかった課題は、本格導入前に改善しましょう。効果検証では、処理時間やミスの件数、問い合わせ数などを確認し、導入範囲を広げる判断材料にすることが大切です。成功事例を社内に共有すれば、現場の理解も得やすくなります。
4-4.使い方の周知にあわせて展開を行う
スモールスタートで効果を確認できたら、使い方を周知しながら導入範囲を広げます。全社展開の前に、操作マニュアルや研修資料を整え、担当者が同じ手順で対応できる状態を作りましょう。システムの操作方法だけでなく、取引先から質問を受けた際の対応や、トラブル発生時の連絡先も共有しておくことが大切です。
導入後も定期的に効果や課題を見直し、現場に合う運用へ改善します。支店がある場合は、拠点ごとの認識差も防ぎましょう。
5.まとめ
受注業務のデジタル化は、業務効率や業務品質の向上、安定した受注体制の構築につながる重要な取り組みです。電話・FAX・メールを中心とした手作業を減らすことで、見積発行や受注処理にかかる工数、入力・転記ミスを削減できるほか、特定の担当者に業務が依存する属人化の解消にもつながります。
在庫や取引の最新状況を即座に確認できるようになれば、欠品や過剰発注を防ぎやすくなり、迅速な意思決定にも役立ちます。また、代理店への情報提供や教育、商談支援にも役立つため、受注拡大を目指す上でも有効です。導入時は現状の課題を洗い出し、必要な機能を備えたツールを選び、スモールスタートで効果を検証しながら展開することが大切です。
受注業務のデジタル化だけでなく、顧客接点全体を俯瞰してとらえた上で手を打っていくことが肝要です。BtoB向けデジタルコミュニケーションプラットフォームサービスについては以下でご紹介しています。ぜひあわせてご覧ください。