Web接客(オンライン接客)とは?
導入メリットやツールの選び方を解説!

デジタルコミュニケーションサービス

Web接客とは、Webサイトを介してインターネット上で接客対応する方法です。Web接客に似た用語として「オンライン接客」という用語もありますが、微妙に意味や使い方が異なる場合がありますので注意が必要です。

この記事では、Web接客ツールの導入をご検討される方に向けて、Web接客の概要や動向、導入するメリット、Web接客ツールの選び方について解説します。ぜひお役立てください。

1.Web接客とは何か

Web接客とは、Webサイトを訪問したユーザーに対してオンライン上で行う接客(コミュニケーションをはかる行為)のことです。オフラインの実店舗では人が直接接客しますが、Web接客ではWeb上のさまざまなツールを介して間接的に接客行為を行います。Web接客は人が介在しないため、たとえば、ユーザーが提示した質問にコンピュータが迅速に答えたり、コンピュータがそのユーザーに適する商品を紹介・レコメンドしたりといったことができます。

なお、Web接客と表現する場合、基本的に直接的に人が介在しないAIチャットボットなどのシステム・ツールによる接客を指すことが多く、オンライン接客と表現する場合は有人チャットやビデオ通話など、人が介在して対応する接客を指すことが多いですが、厳密な定義はなされていません。「Web接客」と「オンライン接客」は、用語を使う人やシーンによって、意味が異なる場合がありますので注意が必要です。

2.Web接客に関する動向

近年、Web接客を取り入れることにより成果を上げているケースが増えてきています。ECサイトに取り入れることによる売上増や、カスタマーサポートへの適用拡大などが挙げられます。

Web接客に注目する企業はますます増えており、市場規模はさらに拡大してゆくと思われます。

3.Web接客を取り入れるメリット

Web接客を取り入れることにより得られるメリットを5つ解説します。

3-1.Webサイトからの離脱や直帰の防止につながる

適切なWeb接客を取り入れることで、Webサイトを訪問したユーザーの離脱や直帰を防ぐことができます。一般的に、ユーザーが「欲しいものがない」「どれが自分に合うのか分からない」などと感じた場合、離脱や直帰の可能性が高くなりますが、Web接客を取り入れることで、ユーザーがそのような状況に陥る前のフォローができるようになるため、離脱や直帰を回避しやすくなり、コンバージョンに至る確率を上げることも可能となります。

3-2.ユーザーに関するデータを収集できる

Webサイト上でのユーザーとのコミュニケーションによって、ユーザーのWeb行動に関するデータ収集が可能になります。このデータと顧客の行動や購買履歴を掛け合わせて分析することで、それぞれの顧客にとって最適な対応をレコメンドしたり、CRMと連携させて実店舗でも活用したり、ユーザーの属性に応じて広告を最適化したりすることができるようになります。CRMについては以下で解説しています。ぜひあわせてご覧ください。

3-3.顧客のニーズに合った提案が可能

Web接客を行えば直接ユーザーとやり取りできるため、よりユーザーのニーズに即した提案ができるようになります。たとえば、ユーザーに質問を投げかけるしくみを準備し、ユーザーから回答を得られれば、それをもとにユーザーに合う商品やサービスの提案につなげることもできるようになります。

企業によっては、商品やサービスの種類が多く、それごとに別の対応が必要なケースもあるでしょう。そのような場合でもWeb接客を活用することで複雑な対応に対処することもできます。

3-4.顧客満足度が向上する

Web接客は、ユーザーがWebサイトを訪れているとき、まさにリアルタイムでユーザーへのレコメンドなどを行います。ユーザーの熱量が高いタイミングで効果的な応対を実施できるため、顧客満足度を高めることができます。また、ユーザーが求めているときに適切な提案ができれば、より多くの受注につながる可能性もあります。失注を防いだり、クレームを防止したりする効果も期待できるでしょう。

3-5.CVRの改善が見込める

CVR(Conversion Rate)とは成約率のことであり、Web接客にはCVRを改善する効果もあります。

Webサイトはユーザーがいつでも自由に閲覧できますが、そこから成約まで到達しにくいという特徴があります。

しかし、Web接客を導入すると、ポップアップ表示やチャットボットなど、成約に向けたリアルタイムなフォローアプローチができるようになります。商品やサービスの購入を迷っているユーザーがいても、Web接客のしくみがあることで購入の後押しにつながります。

4.Web接客は3種類に分けられる

Web接客はその手段として3種類に大別することができます。それぞれの特徴を解説します。

4-1.チャット型

チャット型は、Webサイト上にチャットのしくみを持たせ、チャットを通して接客する方法で、オペレーターが対応する場合とAIシステム等により自動で対応する場合があります。オペレーターが対応する方がどのような内容にも柔軟に対応できますが、その分、人件費も多くかかります。また、最近はボイスボットを活用した予約受付・確認対応や注文受付対応を行う事例も増えてきています。

一方、AIシステム等で対応する場合は、人件費をかけずにチャット機能の運用ができ、24時間いつでもWeb接客を行えます。ただし、AIシステムはまだまだ万能ではないため、最初の受付のみをAIシステムが対応し、必要時にオペレーターへ引き継ぐタイプもあります。

4-2.ポップアップ型

ポップアップ型は、ユーザーにとって役立つ情報をポップアップ形式でWebサイト上に自動表示する方法です。たとえば、ユーザーが今見ている画面や内容に関連するクーポンやキャンペーンなどのお知らせを自動表示することで、CVRを高める効果が期待できます。ポップアップ形式で表示される情報は視認性が高いため、多くのユーザーの反応が期待できます。さらに、利用者を特定し、あらかじめ分析したユーザーのデータをもとに情報を表示すると、より興味を持ってもらいやすくなります。

ただし、ポップアップ型はユーザーが求めていない情報を画面上に表示してしまう可能性もあるため、これがユーザーのストレスになる恐れもあります。過度な刺激にならないよう、ユーザーの意識を考慮して導入することが重要です。

4-3.ハイブリッド型

ハイブリッド型では、チャット型とポップアップ型の両方を活用します。ユーザーの属性や利用シーンに応じて、チャット型とポップアップ型を使い分けられることができます。さらに、最近はチャットでユーザーの志向やお困り内容等を聞き出し、その内容に沿った、お客様に必要と思われる情報をサイト上にポップアップで表示させることもできるようになりました。

なお、ハイブリッド型に対応するには、さまざまな機能が搭載されているツールが必要となるため、他の方法と比較すると費用がかかる傾向があります。自社にとってどのような機能が必要なのか、よく考えたうえでツール選定も行いましょう。

5.Web接客ツールを目的別に選ぶ方法

Web接客ツールを選ぶときは、まず何を実現したいかを明らかにすることから始めます。Webサイトの閲覧状況、ユーザーセグメント、接客アクションなどのうち、どんな情報を知りたいかを整理します。また、マーケティング関連ツールとともに利用したい場合は、どのツールが連携可能なのかなどを調べておくことも重要です。

5-1.ユーザー満足度を向上したい場合

頻繁に質問が寄せられる商品やサービスには、チャットボット型のWeb接客ツールが適しています。いつでも気軽に問い合わせできることで、素早く疑問を解消できるため、ユーザー満足度の向上が期待できます。

5-2.ネットショップやECサイトのCVRを改善したい場合

BtoC向けのネットショップやECサイトを訪問しているユーザーにアプローチしてCVRを改善したい場合は、ポップアップ型のWeb接客ツールが効果的です。たとえば、購入を迷っているユーザーに対して割引クーポンを表示すると、商品購入の後押しに役立ちます。また、ユーザー属性をもとにしたおすすめ商品を表示すれば、新たな購入を検討していただけるかも知れません。

5-3.リードを獲得したい場合

BtoBでリードを獲得するには、ポップアップ、チャットを併用したハイブリッド型のWeb接客ツールがおすすめです。より確度の高いリードを効率的に収集するために活用できます。

6.Web接客の取り組みにおける注意点

Web接客に取り組む際の注意点について解説します。

6-1.教育は必要不可欠

Web接客を取り入れる際は、従業員に対する教育が大切です。業務フローが従来と大きく変わるため、スムーズに活用するには慣れるまでしっかり指導する必要があります。新しい運用ルールを明確に定め、それぞれの従業員がWeb接客ツールを使いこなせるようにしましょう。

6-2.費用対効果を考える

Web接客ツールを導入するうえでは、費用対効果をよく考える必要があります。ツールの活用により、具体的にどの程度の利益を見込めるかシミュレーションすることが重要です。購入率の変化や課題の解決度合いについて細かく検証しましょう。費用対効果を考えるうえでは、継続的に効果を発揮できるかどうかも大切なポイントです。

6-3.PDCAを回す必要がある

Web接客を取り入れても最初からうまくいくとは限りません。「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(測定・評価)」「Action(対策・改善)」のサイクルを回して、運用体制を最適化してゆくことが大切です。

6-4.MAツールとの棲み分け

Web接客ツールとMAツールを併用する場合、相乗効果を高めるため、ツールの違いを理解することも重要です。

MAツールはマーケティングをサポートするためのものであり、顧客情報の管理やメール配信など、一部施策の自動化などができます。それに対してWeb接客ツールは、インタラクティブに自動対応することで、顧客満足度を向上させたり解約率を改善したりするために役立ちます。MAについて以下で解説しています。ぜひあわせてご覧ください。

7.まとめ

Web接客は、Webサイトの効果を高める一躍を担う重要なツールです。また、導入後のメリットを実感しやすいため、導入を検討する企業が増えています。Web接客ツールを最大限に活用するためには、自社の目的にあったツールを選定し、ツールの運用体制を整えることも大切です。ご検討の際は、altcircle(オルトサークル)のデジタルコミュニケーションサービスへご相談ください。

altcircle(オルトサークル)ではEC・デジタルコミュニケーションのプロフェッショナルがお客様のお悩みを伺い、解決に向けたアドバイスを実施しております。お気軽にご相談ください。

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