ライブコマースで変わるこれからのショッピングとは?
メリットや注意点、必要な準備を解説!

ECプラットフォーム/フルフィルメント

近年、SNSなどのライブ配信機能を活用した、「ライブコマース」に注目が集まっています。これまでは海外が主流でしたが日本国内でも実施されることが増え、今では新しいビジネススタイルの1つとして定着しつつあります。

この記事では、デジタル接客の推進をご検討されている方やECサイトのご担当者へ向けて、ライブコマースの特徴やメリットなどを解説します。ぜひお役立てください。

1.ライブコマースとは何か

まずはライブコマースの概要を理解し、実際にビジネスに導入するための準備を進めましょう。

1-1.ライブ配信&ネットショッピングによる新たなビジネススタイル

ライブコマースとは、ライブ配信による商品紹介とネットショッピングの機会を同時に提供するマーケティング手法で、ECのDX施策のひとつとして注目されています。従来のテレビショッピングと類似した販売手法ですが、視聴者とのチャットを介した双方向なやりとりができる点が大きな特徴です。近年、ライブ配信に馴染みのある若者などをターゲットに幅広いジャンルで実施されています。

いまや誰もが所有しているスマートフォンやタブレットで簡単にライブ配信を視聴できるため、多くの顧客に訴求できます。また、機材や通信環境さえ整えればテレビショッピングよりも安価に実施できることも特徴のひとつです。そのほかのDX施策については以下で解説しています。ぜひあわせてご覧ください。

1-2.リアルタイムでユーザーとのやり取りが可能

ライブコマースでは、リアルタイムで視聴者であるユーザーとコミュニケーションが取れます。従来の通販番組やECサイトは販売者側からの一方通行なコミュニケーションであるのが普通でしたが、ライブコマースではその場でユーザーからの質問に返答したり、要望に応えて商品の画角を調整したりするなど、インタラクティブな対応ができるのが特徴です。

2.ライブコマースが普及してきた背景について

ライブコマースは多くの企業・業界に普及しはじめ、そのメリットを活かしたマーケティング施策が実行されています。

2-1.臨場感と説得力のある購買体験を提供できる

ライブコマースは、臨場感と説得力のある購買体験をユーザーに与えられる手法として注目されています。従来の画像と文章で説明を行うECサイトとは違い、その商品に詳しいプロが直接商品の魅力を紹介できるため、視聴者の購買意欲を高めやすいのが特徴です。たとえば、化粧品の販売員が実際に商品を使用してその効果をアピールしたり、シェフが調理の様子を配信して自社商品の美味しい食べ方をアドバイスしたり、アパレルブランドの店舗スタッフがおススメのコーディネートを紹介したり…といった、視聴者へ有益さを提示しながらの配信が行える点が、ライブコマースが普及している理由のひとつです。

2-2.配信プラットフォームを使うことで簡単に始められる

近年はInstagramやYouTubeなど無料でライブ配信ができるSNSが普及し、簡単にライブ配信を始められるようになりました。また、ライブ配信中に決済まで行えるライブコマース専用の配信ツールも利用が進んできています。ライブコマースを試験的に実施して、ユーザーの反応を確かめたり商品への注目度を測定したりする企業も多く出てきています。無料のツールもあり、導入が簡単に行える点もライブコマースが多くの企業に普及している理由のひとつです。

2-3.インフルエンサーなどの知名度を活用するケースが増えている

SNSで人気のインフルエンサーを広告等に起用し、ライブコマースを行う企業も増えています。テレビや雑誌などの印刷媒体に触れないユーザーにも訴求できるため、商品・サービス次第ではより高い効果が見込めます。インフルエンサーの影響力次第では数万人単位のユーザーにアピールできるため、費用対効果が高い点もライブコマースが普及しはじめている理由になっています。ただし、安易にファンの多いインフルエンサーを起用するだけでは良い訴求ができず、逆に炎上してしまうリスクもあります。起用するインフルエンサーに商品の仕様や魅力を正しく理解してもらい、本音で訴求してもらうことが重要です。

3.ライブコマースの市場規模・認知状況について

ライブコマースの導入準備の一環として、ライブコマースの市場規模や認知状況を抑えておきましょう。

3-1.世界規模でライブコマースの市場は成長している

ライブコマースの市場は、世界レベルで拡大を続けています。特に中国でその勢いが強く、2020年は1兆元(1元=16円換算で16兆円)を突破し、2021年も急成長して2兆元(32兆円)にまで拡大する見通しと言われていました。今後も日本を含めた世界で、ライブコマースによるマーケティングが一般化する可能性が高いでしょう。

3-2.日本におけるライブコマース市場規模は今後に期待できる

日本でも2017年ごろからライブコマースは普及しはじめていますが、まだまだその認知度は低いのが現状です。MMD研究所が2021年に実施した調査によると、ライブコマースの認知率は43.2%、利用経験者は12.7%とまだまだ低い水準に留まっています。しかし、認知していると回答した人を対象に今後の利用意向を問うと、23.2%が「今後利用したい」と回答しており、とくに利用意向の高かった10代~20代の若者を中心に市場が拡大していくことが期待できると考えられます。

4.ライブコマースならではのメリット

ライブコマースはそのほかのマーケティング手法にはない、独自のメリットを多数持ちます。

4-1.商品の魅力が伝わりやすい

ライブコマースではその商品に詳しい販売員や製作者が配信できるため、商品の魅力を正確に伝えられます。静止画や文章では伝えきれない特徴や魅力を動画や双方向コミュニケーションにより、リアルタイムで伝えられる点も大きなメリットです。商品の存在や魅力が顧客に伝えられていないという課題を持っている場合には、ライブコマースによる新しいアプローチを試し、顧客の反応を確認しながら訴求するポイントを見直しましょう。

4-2.ユーザーの不安を解消できる

ネットショッピングでは実物を確認してからの購入ができないため、ユーザーは購入前に「本当にこの商品で良いのだろうか」と不安を覚えることもあります。ライブコマースなら実際の商品を使用している映像を確認できるため、購入前の不安を解消しやすい点がメリットです。

また、チャット機能を用いてその場で配信者に対する質問ができるので、実店舗で販売スタッフに尋ねるのと同じ感覚で疑問点を解消できる点もメリットです。

4-3.購入までの流れがスムーズ

ライブコマースでは、配信画面からスムーズに商品購入ができる動線を作れる点もメリットです。ライブ配信のページに商品画面へ移行するリンクを張れば、ユーザーは簡単に気に入った商品の購入ができます。ユーザーが商品に強い興味を持っているタイミングを逃さずに、購入を促せる点もまたライブコマースのメリットです。

5.ライブコマースを実施する際の注意点

ライブコマースを実施する際には、いくつか事前に把握しておくべき注意点があります。

5-1.集客にコストがかかる場合がある

ライブコマースを成功させるには、まず視聴者を大勢集めなければなりません。集客には宣伝コストがかかり、状況次第では多くの費用をかけてライブコマースの実施をアピールする必要があります。

特にはじめてライブコマースを実施する場合、認知度を高めるためにさまざまなチャネルで集客をする必要があるため、コストが高くなりやすいです。

5-2.ライブ配信の担当者に技術が求められる

ライブコマースを成功させるには、ライブ配信の担当者にさまざまな技術が求められます。商品説明をスムーズに行う話術、ユーザーの質問に対して臨機応変に答えられる柔軟性などは特に重要なスキルとなるでしょう。

ライブコマースの成果を引き出すためにも、ライブ配信の担当者には専門的な教育を実施することやプロの支援を受けることも検討しましょう。

5-3.企業のブランドイメージを損なう可能性がある

ライブ配信の内容によっては、ブランド価値に悪影響を与える可能性がある点に注意が必要です。たとえば、配信者の態度や言葉遣いが悪かったり、紹介途中にトラブルを起こしたりすると、商品と企業に悪いイメージが付くリスクがあります。

念入りにリハーサルを重ねた上で、自社のブランドイメージとかけ離れていないか確認しましょう。

6.ライブコマースを始めるための準備

ライブコマースを始めるためには、いくつか事前に準備するべき要素があります。

6-1.配信を魅力的にする機材の準備

ライブコマースはスマートフォンだけでも配信ができますが、みやすい・聞きやすい配信にするには専用の機材をそろえる必要があります。専用のカメラ、マイク、安定した通信環境を用意して、視聴者がストレスを感じない配慮が求められます。

最初からすべての機材を準備するのではなく、ライブコマースの浸透度に合わせて段階的にそろえていくことも検討しましょう。

6-2.配信者を選定する

ライブコマースで実際に配信をする担当者を選定し、具体的な内容を考案します。配信担当者は商品に詳しく、トーク力のある従業員を社内から選ぶか、インフルエンサーなどに依頼する方法があります。いずれにせよライブ配信は誰でも簡単にこなせる作業ではないため、適切な人材を選定する準備が重要です。

6-3.ライブコマースのマニュアルを作成する

ライブコマースを実施する際には、マニュアルの作成も重要なプロセスです。想定される質問内容とその回答例、配信に適さないNGワード、トラブルが発生した場合の対処法などを記載して対策します。本番前にライブコマースのリハーサルを何度か実施し、問題点や課題となるポイントをピックアップするとマニュアルを作りやすくなります。

7.オススメのライブコマースツール

おすすめのライブコマースツールとして「Tig LIVE」(ティグ ライブ)があります。TIG(ティグ)とは、動画や静止画に出てくる様々な情報[モノ・ヒト・コト・音・場所など]を、画面上でタップ、-クリックするだけで直感的に知ることができる動画テクノロジーです。このテクノロジーを活用した、配信画面から直接購入画面へ遷移させる導線を作れるのがTig LIVEです。

一般的なライブコマースでは、事前に紹介する商品を決めておく必要があり、その他の商品をアドリブで紹介しても購入を促す導線を用意できません。その点、「Tig LIVE」であればライブ配信画面に紹介した商品の購入画面をすぐに表示できるため、視聴者の反応にあわせて紹介する商品をその場で変えることができます。Tigについて詳しくはこちらをご覧ください。

8.まとめ

ライブコマースは新しいマーケティング手法として、世界で普及しはじめています。そのトレンドは日本国内でも浸透し、いずれ当たり前のアピール方法になる可能性もあるでしょう。この機会にライブコマースの基本を理解し、配信を行うための準備を進めてみてはいかがでしょうか。

ライブコマース実践!~購買意欲を高めるコンテンツ制作と配信の秘訣~アーカイブ

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