エシカルとは?
エシカル消費に向けた企業の取り組みについて解説!
エシカルとは、企業や個々の消費者が環境や社会、人権に配慮した行動をすることです。さまざまな環境・社会に関わる問題を解決し、サステナブルな社会を実現しようとする動きが世界的に盛り上がる中で、エシカルな取り組みも重視されています。今後、企業が経済活動を行う上で、エシカル消費へ対応した商品開発やサプライチェーンの構築が重要になるでしょう。
この記事ではエシカル消費に興味がある方に向けて、エシカルの意味やサステナブル・CSR・SDGsとの違い、エシカル消費に配慮した商品・サービスの例を解説します。
1.エシカルとは
「エシカル(ethical)」とは、「道徳的な」「倫理的な」という意味を持つ英単語です。「環境・社会・人に配慮している」という意味合いで利用されることが多く、「エシカル消費」「エシカルな取り組み」のように他の単語と組み合わせて使われます。地球温暖化・異常気象・生物多様性の損失など、地球環境は大きく変化しています。また、商品製造の裏側では、児童労働や低賃金労働が生じている地域もあります。 環境問題や社会問題の解決には、エシカルな取り組みが欠かせません。
1-1.サステナブル・CSR・SDGsとの違い
エシカルに関連する言葉に、「サステナブル」「CSR」「SDGs」があります。エシカルな取り組みを目指すにあたり、それぞれの言葉の意味やエシカルとの違いについて知っておきましょう。 サステナブル・CSR・SDGsの概要は、下記の通りです。
サステナブル
- 「持続可能な」という意味
- 環境に配慮し良好な関係を持続するための取り組み
CSR
- 「企業の社会的責任」という意味
- 地域社会への貢献や地球環境に配慮した取り組み
SDGs
- 世界が2030年までに達成すべき国際目標
- 環境や開発において取り組むべき目標は17種類
エシカルとCSRは、サステナブルな社会の実現につながる要素の1つです。CSRは企業による取り組みであるのに対して、エシカルな取り組みは企業だけでなく個人でも行えます。SDGsは、サステナブルな社会の実現に向けた具体的な目標です。サステナブルについては以下で解説しています。ぜひあわせてご覧ください。
2.エシカル消費とは
エシカル消費とは、自然破壊などの環境問題や、貧困・人権などの社会問題の解決に向けた消費活動を行うことを意味します。
エシカルと消費行動が結びつけられたのは、1989年に創刊されたイギリスの専門誌「エシカルコンシューマー」が始まりと言われています。 社会が抱えているさまざまな問題解決のためにエシカル消費の普及が求められており、生産者と地球環境の持続可能な未来を支えるためには、企業活動や消費行動の見直しが必要です。
2-1.エシカル消費の具体例
エシカル消費で注目されるポイントは、「人と社会」「環境」「地域」の3つに分類されます。それぞれの目的とエシカル消費の具体例は、下記の通りです。
・人と社会への配慮(人と社会に配慮して消費する)
人と社会に配慮した消費を意識するには、生産者の健康や公平性が脅かされていない商品を選ぶのが大切です。エシカル消費の基準の1つに、「国際フェアトレードマーク」があります。これは、社会的・環境的・経済的な基準を定めた「国際フェアトレード基準」を満たした製品であることを証明するマークです。ほかにも、障害のある方が作った寄付金付き商品の購入はエシカル消費の1つです。
・環境への配慮(環境への負荷を減らす消費をする)
環境への負荷を減らすには、生分解性のある商品や自然由来の原材料を使用している商品を選ぶことが効果的です。環境に配慮した商品には、「エコマーク」「有機JASマーク」「FSC認証」などが貼られています。
・地域への配慮(地域支援につながる消費をする)
地産地消の商品や被災地で製造された商品を選べば、地域を支援する消費につながります。また、古くからの伝統を守って製造された伝統工芸品の購入も、地域を支援する消費の1つです。地域に根付く技術を用いた商品には、「伝統マーク」を貼ることができます。
エシカル消費につながる多くの商品には、認証マークが貼られています。エシカル消費の参考になる認証マークは複数存在するため、各マークの意味を知っておくことも大切です。
3.エシカル消費に向けた企業の取り組み事例
エシカルな活動は、今後もさまざまな分野に広がると予想されています。社会や地球環境に貢献できる企業を目指すためにも、企業にできるエシカルな取り組みを知っておきましょう。企業にできるエシカル消費関連の事例を5つ紹介します。
3-1.エシカルフード
エシカルフードの開発や販売は、食品を取り扱う企業に関連する取り組みです。エシカルフードは、原料から消費まで環境や社会に配慮して製造された食品で、「エシカル食品」とも呼ばれます。
エシカルフードの特徴は、下記の通りです。
- フェアトレード食材を使用している
- アップサイクルされた食材を使用している
- オーガニックな素材を使用している
- アニマルウェルフェアが守られている
エシカルフードを取り扱うことにより、環境問題や食品ロス問題に向き合う姿勢を顧客に伝えることも可能です。
3-2.エシカルグッズ
エシカルグッズの開発と販売も、エシカルな取り組みの1つです。エシカルなオリジナル商品を消費者に届けることで、多くの人々がエシカル消費に興味を持つきっかけになります。エシカルグッズの特徴は、下記の通りです。
- 使い捨てではなく何度も再利用できる
- 廃棄するときに有害物質を出さない
- 原料をリサイクル・アップサイクルしている
- 障害のある方が製造に関わっている
廃棄する食材や不用品を活かすアップサイクルは、リサイクルに比べてコストや手間がかからないため、多くの企業が取り組んでいます。 環境負荷を減らしつつ廃材を削減できることは、企業にとっても大きなメリットです。
3-3.エシカルファッション
エシカルファッションは、ファッション業界向けの取り組みです。衣服の素材選びや生産工程、販売ルートにおいて環境や社会に配慮した取り組みが求められます。エシカルファッションの特徴は、下記の通りです。
- 生産する労働者の権利や労働環境を守る
- 不要になった製品は回収してリサイクルする
- コットンやウールなど環境にやさしい素材を使用する
- 動物に配慮している
エシカルファッションへの取り組みは、生産に関わる人々や地球環境を守ることにつながります。そのため、日本だけでなく世界中のファッションブランドがエシカルファッションを開発しています。
3-4.エシカルコスメ
エシカルコスメは、地球環境に配慮した原材料で製造された化粧品です。食品や衣服と同様に、化粧品にも環境にやさしく動物から搾取しい原材料選びと製造工程が求められています。エシカルコスメの特徴は、下記の通りです。
- 自然由来の成分を使用する
- 化学成分を軽減する
- 動物実験を行わない
- 環境に配慮した容器やパッケージを使用する
エシカルコスメへの取り組みは、環境保護だけでなく消費者の安全を守ることにもつながります。 環境に配慮した原材料で作られた肌への負担が少ない化粧品の開発や販売は、消費者との信頼関係を築く上でも重要です。
3-5.エシカル配送
エシカル配送は、物流に関連する企業向けの取り組みです。環境保護と労働者の負担軽減につながります。エシカル配送の特徴は、下記の通りです。
- 最低限の梱包材で配送する
- 倉庫と連動して迅速に配送をする
- 配送効率を高めて再配達を減らす
包装紙や緩衝材などの梱包材を減らせば、地球環境への負荷を減らせます。ポスト投函や宅配ボックスの利用により、再配達の手間が省けるのもメリットの1つです。
時代の流れや物流サービスの進化に伴い、商品の販売方法や配送方法も多様化しています。エシカル配送を取り入れることで、企業は環境や社会に配慮する消費者のニーズにマッチしたサービスを提供できます。エシカル配送の導入を検討する場合は、SCSKが提供するフルフィルメントサービスの活用がおすすめです。
4.まとめ
エシカルは「環境・社会・人に配慮している」という意味の言葉で、「エシカル消費」「エシカルな取り組み」などの形で使われます。エシカル消費とは環境や人・社会に配慮し、地域貢献ができる商品を購入する消費行動で、誰でも行えるサステナブルな社会を実現する取り組みの1つです。 エシカル消費に向けた企業の取り組みの例には、エシカルフードやエシカルグッズ、エシカルファッション、エシカルコスメがあります。また、配送手段としてエシカル配送を選択すれば、商品だけでなく物流にも配慮した消費行動が可能です。
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