BIとは?
BIツールの仕組み・機能から導入方法までを解説!

BIとは

BIツールは、市場動向や顧客ニーズの把握、経営戦略の策定など、企業の多岐にわたるニーズに応えるツールです。ツールの導入で業務効率向上や円滑な意思決定が実現すれば、競争力の強化にもつながります。データの活用に悩んでいる企業にとって、BIツールは強力なパートナーとなるでしょう。

この記事では、 BIについて知りたい方に向けて、BIの概要からBIツールの仕組み・機能・利用シーン、メリット・デメリット、導入方法と導入時の注意点を解説します。 ぜひお役立てください。

1.BIとは?

BIとは、ビジネスインテリジェンスの略で、 経営戦略の立案など、企業が自社の事業における意思決定を行うときに役立つさまざまな手法 をさします。たとえば、収集した莫大なデータを蓄積・分析したり、加工して可視化したりすることもBIの一部です。 新たな事業を立ち上げるときは、自社が利益を出せるか予測分析するための市場動向や顧客ニーズの調査といった判断材料が必要です。調査内容や分析結果を経営層・管理職など関係者に提示できる状態にするデータ活用の手段として、BIがあげられます。

2.BIツールとは

BIは、データ蓄積や分析など複数の手法をさします。スピーディーに意思決定をするためには、BIツールの導入による業務効率化が重要です。BIツールとは、 データに関する各作業を効率化するためのソフトウェア です。

BIツールを導入するにあたって、まずは具体的にどのような特徴があるのか理解する必要があります。ここでは代表的なBIツールに共通する、仕組みや機能、主な利用シーンを紹介します。

2-1.BIツールの仕組み

BIツールを導入する目的・意味は、誰でも手軽に求めるデータやレポートを得られるようにすることです。システム自体もシンプルで、下記の通り4つの仕組みで構成されています。

  • インプット
  • 集計・分析
  • 可視化
  • インサイト

まず、CRM、SFA、オープンデータなど、社内外で収集したデータをインプットします。インプットしたデータソースをもとにBIツールで集計・分析をします。分析方法は複数あり、たとえば、データマイニングやシミュレーションなどです。 分析結果を視覚的に理解しやすくするための工程が、可視化とインサイトです。数値をグラフ化して可視化したり、関連性や重要性の高い結果をインサイトで探し出したりします。 BIツールの他、データ分析において従来活用されてきた手法が、CSV形式でエクスポートしたデータをExcelにインポートする手法です。BIツールとExcelを比較した場合、BIツールのほうが下記の点において高い利便性をもっています。

  • データの処理速度
  • 対応するデータソースの種類
  • レポート作成の簡便性
  • 最新データの共有

BIツールは大量のデータを高速で処理できる上、対応しているデータソースが多いため、業務効率向上に大きく貢献します。 連携したデータベースやクラウド、社内システムから広範囲にデータを収集できます。レポート作成も容易で、データをリアルタイムに共有できるスピード感も魅力です。

ただし、社内に蓄積された大量のデータを単に集約するだけではなく、より効果的な分析を目指して、必要な情報が取り出しやすい状態を整えることが重要です。この目的を達成するためには、「データマート」の活用をおすすめします。データマートについては以下で解説しています。ぜひあわせてご覧ください。

2-2.BIツールの機能

BIツールは、大きく分けると無料のものと海外発または国内発の3種類があります。 簡易的な機能を希望する方には無料のものが人気です。海外企業が提供するBIツールは専門的な分析に対応しているものが多く、一部は日本語にも対応しています。国内企業が提供するBIツールは、日本独自のビジネススタイルに適応しており、サポート面においても充実していることが魅力です。 多くのBIツールに含まれる機能の一部として、下記があげられます。

  • 分析機能
  • データマイニング機能
  • ダッシュボード機能
  • シミュレーション・プランニング機能
  • レポート出力機能

蓄積されたデータから必要なものをピックアップする機能が、データマイニングです。ダッシュボード機能で視覚的に分かりやすく加工したり、シミュレーションで分析結果をもとに将来を予測したりできます。分析データはPDFやExcelなど多くの形式で結果をレポート出力できるため、シーンに合わせた共有が容易です。 目的によっては、BIツールとCDPを連携させてデータ分析を行う方法も有効です。 CDPの詳しい解説と具体的な活用方法については以下で解説しています。ぜひあわせてご覧ください。

2-3.BIツールの主な利用シーン

BIツールが活用されるシーンには、次の6つがあげられます。

  • データ集計
  • 経営・財務分析
  • 営業・売上分析
  • 人事データ分析
  • 残業分析
  • 予算管理

ビッグデータの集計作業を効率化させる他、経営状況や売上をリアルタイムで可視化することにより、組織体制の構築や事業見直しなど素早い対処につながります。リモートワークの普及にともない、多様化しつつある働き方に適応するためのツールとして、人事データや残業状況の分析にも役立ちます。

3.BIツールのメリット・デメリット

BIツールを効果的に活用するためには、メリットのみならずデメリットも理解しておくことが重要です。 BIツールを利用するメリットは、下記の通りです。

BIツールのメリット

  • 社内に散在するデータを集約できる
  • スピーディーかつ容易に分析できる
  • データの可視化で円滑な意思決定につながる

多くの企業は、複数のシステムを使用しています。 システム連携すれば、SFAやCRMなど各システム・部署に散在するデータを一元化でき、必要なときに参照しやすくなります。 多くのBIツールは、誰でも手軽にデータ分析できる仕様です。必要なデータを手軽に引き出し、分析できる環境は、業務効率化に役立ちます。またBIツールは、データ収集や分析のみならず問題点の洗い出しにも効果的です。グラフや表で可視化されたデータを活用すれば、自社の実態も把握しやすくなり、経営判断のスピードを上げます。 一方、BIツールには下記のデメリットもあります。

BIツールのデメリット

  • 導入・維持にコストがかかる
  • 社内の教育や浸透に時間がかかる
  • 業務効率が低下することもある

BIツール導入は、初期費用や維持コストがかかります。 BIツールごとに料金システムが異なるため、コストと求める機能やサポートとのバランスを考慮して選定しなくてはなりません。 また、従来のシステムや分析フローから移行することに対して、社内教育や浸透のための時間やコストも必要です。多様な年齢層、能力差を視野に入れた教育プログラムが求められます。導入直後は不慣れなため、思うように活用できない可能性が考えられます。 BIツール導入時は、使い勝手も重視すべきポイントです。誰でも使いやすいシステムでなければ、かえって業務効率の低下を招きかねません。 可能であればトライアルを利用して、さまざまな立場・部署の社員に体験してもらいましょう。

4.BIツールの導入方法

BIツールを導入する前に、目的と手段を明確化する必要があります。どのような用途でBIツールを使用するのか、導入は既製品の購入と自社開発のどちらで行うのかを決定します。 既製品のBIツールを導入するときの大まかな流れは、以下の通りです。

導入目的を参考に要件定義を行い、必要な機能のあるBIツールを複数ピックアップします。比較するときは、 使い勝手の良さ、アカウント体系、可視化の表現力など、多角的に評価する ことが重要です。グラフのレイアウトが異なる程度でも、見やすさに大きな差が生じます。

トライアルで実際にBIツールを試し、社員の誰でも使用できるか、操作時のストレスはないかを確認しましょう。BIツールによっては、1か月程度トライアル期間を設けている場合があります。 社内での導入が決まれば、いよいよBIツールの導入です。

4-1.BIツールを導入するときの注意点

BIツールの導入を成功させるためにも、次の4つに注意しましょう。

  • 自社の課題を解決できるBIツールを選ぶ
  • 既存の業務データ・ツールとの親和性を重視する
  • 社員の誰でも使用しやすいBIツールを選ぶ
  • サポートが充実したベンダー・BIツールを選ぶ

BIツールを使用する目的は、企業によってさまざまです。手軽に分析できる機能を求めている場合もあれば、データ可視化を効率化したい場合もあります。機能が豊富なものや料金の安さで選ぶのではなく、自社が抱える課題や求めるゴールを事前に明確化して、適したBIツールを選びましょう。 長く活用するためには、既存の業務データやツールと連携できる親和性も必要です。 社内のITリテラシーが高くない層も入力しやすい、操作性が高いBIツールであれば、活用の幅がさらに広がります。 もっとも重要なポイントが、サポートサービスの充実度です。万が一既存ツールとの連携がうまくいかなかったとき、サポートサービスが充実していなければ問題を解決できないおそれがあります。安心してBIツールを活用するためにも、サポート体制の整ったベンダーやソフトウェアを選びましょう。

5.まとめ

BI(ビジネスインテリジェンス)は企業の意思決定をサポートするための手法です。収集・分析・可視化などのデータ活用が含まれます。BIツールはデータ処理速度やデータソースの種類、レポート作成の簡便性などの点でExcelよりも優れており、業務効率向上に貢献します。

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