導入事例

たねやグループ 様

老舗菓子店「たねや」「クラブハリエ」に学ぶ!
「おもてなし」の心をデジタルで実現するブランド戦略とは

コロナ禍を経てEC市場は拡大し続けており、今や、EC事業の発展は企業の成長戦略における重要な鍵となっています。

しかし、「今まで店舗でやってきたようなお客様へのおもてなしを ECの世界でも提供したい」「ECサイトを改善したいが日々の業務に追われ、何から手をつけていいかわからない」「ギフトEC特有の熨斗や複数配送先指定などをストレスなく設定できるUI/UXに改善したい」とお悩みの方も多いのではないのでしょうか。

本事例では、オンラインでも店舗同様の“おもてなし”をお客様に提供するために実施した、「たねや・クラブハリエ公式オンラインショップ」のリニューアルで取り組んだ内容や注力したポイントを伺いました。1872年創業の老舗菓子店であるたねやグループの歴史や伝統が築いたブランド価値を、さらに向上させるECへの取り組みはどのようなものなのか。さらなる成長に向けた、たねやグループ様の今後の展望を語っていただきました。

老舗菓子店「たねや」「クラブハリエ」に学ぶ!「おもてなし」の心をデジタルで実現するブランド戦略とは
  • 本事例記事の内容およびお客様のご所属・ご役職は2024年7月制作時点のものです。

たねやグループ

滋賀県近江八幡市北之庄町615-1

https://taneya.jp/
https://clubharie.jp/

たねやグループ様は、1872年(明治5年)に滋賀県近江八幡で創業した老舗菓子店です。
和菓子の「たねや」、洋菓子の「クラブハリエ」の2つのブランドを擁し、東京、神奈川、千葉、愛知、大阪、京都、兵庫、奈良など国内に40店舗以上を展開しています。2015年(平成27年)には、「自然に学ぶ」をコンセプトに掲げたフラッグシップ店「ラ コリーナ近江八幡」をオープン。お菓子を通じて近江八幡の原風景を楽しむことができる場所として、年間で400万人もの顧客が訪れています。

本事例記事の全文はフォームからお申し込み後、PDFでご覧いただけます。

リニューアル前のECサイトに顕在化した「4つの課題」

たねやグループでは、和菓子の「たねや」、洋菓子の「クラブハリエ」のそれぞれのブランドごとにオフィシャルWebサイトがあり、それぞれのブランドの商品を購入できる公式オンラインショップも運営しています。今回はオンラインショップのリニューアルについてお聞きしたいと思いますが、まず、グループ全体としてのブランド戦略や方針について教えてください。

たねやグループ様:グループ会社としての「たねや」「クラブハリエ」のブランドにはそれぞれ「色」があります。たねやは代表銘菓の「栗饅頭」や「斗升最中」「ふくみ天平」といった通年菓子が有名ですし、クラブハリエでは「バームクーヘン」が1番人気です。
各社のWebサイトではそれぞれのお菓子と店舗情報を見やすく配置し、お菓子のページからオンラインショップへスムーズに移動していただけるような導線を設けています。
その他にも、特設ページとしてラ コリーナの店舗ページや「大切にするきもち」のページを設けています。ラ コリーナは「たねや・クラブハリエの今」を体現していますので、季節の商品はもちろん、ラ コリーナの自然の風景や写真を工夫してレイアウトしています。

たねや様からオンラインショップのリニューアルのご相談をいただいたのは2022年のことでした。リニューアルを検討されたきっかけについて教えてください。

たねやグループ様:これまで当社は、「ラ コリーナ近江八幡」をはじめとした直営店や全国の百貨店での対面販売が中心でした。しかし、コロナ禍を経て、オンラインショップの売上が伸長してきた一方で、いくつかの課題が顕在化してきました。

1番大きな課題は「サイト基盤」の課題で、リニューアル前はテレビで当社の商品が紹介された際などにアクセスが一気に増えると、サイトがダウンしてしまうことがありました。そこで、落ちないサイトかつセキュリティ面でも安心・安全に利用できるサイト基盤に改善したいと考えたのがリニューアルを検討した最初のきっかけです。

また、せっかくリニューアルをするのであれば…ということで次の3つの改善ポイントに取り組むことにしました。

  1. ブランドを大切にしたサイト構成と商品の魅力が伝わるサイトデザイン

    2つのブランドのコンセプトを大切にしたサイト構成にしたうえで、デザインを通してお客様に商品の魅力を最大限伝えられるようにしたい。

  2. オンラインでの“おもてなし”実現

    UI/UXを改善し、店舗での“おもてなし”と同様の顧客体験をオンラインで提供したい。

  3. コンタクトセンター業務の効率化

    電話注文してくださるお客様も多いため、コンタクトセンターの業務効率化を実現したい。

ECフロントとバックを一気通貫でリプレイス

では、「安定性と安全性のあるサイト基盤」の課題解決から詳しくお聞かせください。

たねやグループ様:以前のシステムはECフロントとバックが一体となったパッケージを利用していました。そのため、なにかサイトを改善しようとした際にはフロント、バックともに改修が必要になってしまい、費用がかかるのはもちろんのこと、スピーディーな改善活動ができないという課題がありました。
そこで今回のリニューアルでは、SCSKさんからご提案いただいた「フロントとバックを分離させたシステム構成」を採用しました。分離型の構成であれば、フロントとバックで切り離して管理できるため、UI/UXの改善や新しいチャネルの追加などを柔軟に行うことができると考えたためです。
また、ECフロントには「Salesforce B2C Commerce」を採用しました。SaaS型のサービスで、24時間365日の監視がされるほか、最新のセキュリティアップデートが自動で適用されるため、セキュリティ面でも安心して利用できるだろうと考えました。
さらに、ECバックについてもSCSKさんにリプレイスをお願いしました。フロントからバックまで一気通貫でご対応いただくことで、顕在化した課題を解決できると判断しました。

SCSKとの対話を通じて明確化したコンセプトに沿ってデザインを刷新

では続いて「ブランドを大切にしたサイト構成と商品の魅力が伝わるサイトデザイン」について、まずはサイトデザインの観点からお聞かせください。

6つのデザインコンセプト

たねやグループ様:弊社代表の山本からは、「商品の魅力を最大限アピールし、お菓子が美味しく見えるようなデザインにしてほしい」とのリクエストがありました。これにこたえるためにSCSKさんと議論を重ね、「もっと商品をアピールできるデザインに!」「ちょっとした遊び心!」「商品を探しやすく!」など、6つのデザインコンセプトが決まりました。
まず、商品をアピールするという観点では、「全ての端末でメイン画像をフルスクリーン表示」することにしました。画像サイズについては、SCSKさんに調査していただき、「1920ピクセルのスクリーンサイズのPCユーザーが最も当社のオンラインショップを利用している」ということがわかったので、そのサイズに合わせました。
次に、ユーザーを飽きさせない遊び心のあるデザインという観点では、「バンプデザイン」という横幅に変化を持たせてサイト全体に緩急をつけるデザインを採用しました。フラットなデザインですと、ページをスクロールする際に途中の商品に目をとめていただけないこともあると思いますので、このデザインを採用してよかったです。
最後に、ページのヘッダー・フッターは、フルスクリーンで全てのカテゴリを見やすく表示し、お客様が商品を探しやすくするようなデザイン上の配慮をしています。
デザインを決める過程では、SCSKさんからさまざまな調査結果や最新のトレンドを踏まえたご提案をいただいたことで私たちの知見も深まりました。より良いデザインにするために色々な角度から検討をすることができ、最終的には見やすくて飽きのこないデザインにできたのではないかと思っています。

続いて、「たねや」「クラブハリエ」という異なるブランドの商品をひとつのオンラインショップで販売にするにあたり、サイト構成上はどんな工夫をしたのでしょうか。

たねやグループ様:「各ブランドの店舗で商品を選ぶ」というリアルでのお買い物体験と似たものをオンラインでも提供したいと考えていたため、トップページは一つにし、その中にそれぞれのブランドページを用意する構成としました。そして、ブランドページの中でストーリーや商品写真を掲載することで、それぞれのブランドの世界観を表現するようにしました。
とはいえ、ブランドごとにデザインが大きく変わってしまうとお客様の混乱を招いてしまいますので、「違いはわかるが、違和感はない」良いバランスのデザインにすることを意識しました。SCSKさんとともに色々なデザイン案を検討しましたが、最終的にはページの上部にシンプルなデザインのブランドバーを設置することで、どのブランドのページにいるかが視覚的にわかるようなデザインとしました。
また、「店舗で商品を選ぶような顧客体験を提供したい」とは思っていましたが、お客様の利便性を損なうようでは本末転倒です。そのため、商品検索やショッピングカートは2つのブランドを横断したものにしました。

2つのブランドの世界観は大切にしながらも、お客様の購買体験を最優先に、わかりやすくて使いやすいUI/UXを追求するということがデザインを決めていくうえで大切な観点ということですね。

たねやグループ様:そうですね。実際に店舗でお客様をお迎えするときには、「商品をどう見せれば一番魅力が伝わるのか」「お客様に快適にお買い物していただくためにはどうすればいいのか」ということにこだわって取り組むものですが、オンラインでもその考えは変わらないと思います。

「接客型カート」を採用し、オンラインでの“おもてなし”を実現

続いて「オンラインでの“おもてなし”の実現」についてお聞きします。リニューアル前はどんな課題があったのでしょうか。

たねやグループ様:当社のお客様には「ご自宅用」「贈答用」「複数の宛先にギフトを贈りたい」など、いろいろな購買用途があります。しかし、旧サイトのカートフローは画一的で、お届け先指定や熨斗(のし)の設定など、色々な項目を1ページで入力する必要があり、「注文方法がわかりづらい」という声がありました。
そこで、今回のリニューアルでは、用途に合わせて必要な項目だけを質問していく「接客型カート」を採用しました。これは、まるで店舗で接客されているかのように、ひとつずつお客様に確認をとっていく形式です。
最初に贈答用かご自宅用かを尋ね、贈答用の場合はお届け先が複数あるかを確認し、その回答にあわせて必要な項目だけを確認していくカートフローです。たとえば、ご自宅用の場合は熨斗の設定は不要なので、その画面はスキップして買い物ができるようになっています。
冒頭、「店舗での“おもてなし”と同様の顧客体験をオンラインでも提供したい」ということをリニューアルでの改善ポイントとして挙げましたが、この部分がまさにそれにつながるところです。実際の店舗でお買い物していただいたお客様に対してであれば当たり前にできていた「接客」をオンラインショップでも提供できるようになりました。

そのほかにも、店舗で当たり前にしていた接客をデジタルで実現するという観点でポイントはありますか。

たねやグループ様:以前は、商品をご購入いただいたお客様から、「小分け用の袋が欲しい」とあとからお問い合わせいただくことがよくありました。以前は任意の選択項目としていましたが、リニューアル後は小分け袋が必要かを必ず選択いただいてから購入手続きを開始するフローに変更しました。これにより、お客様の購買体験を向上させるだけでなく、問い合わせ対応業務の削減を実現できました。

受注管理システムの刷新により、コンタクトセンターの業務効率化も実現

今回のリニューアルでは「コンタクトセンター業務の効率化」もテーマの一つでした。これについて詳しくお聞かせいただけますか。

たねやグループ様:今まではオペレーターが電話で注文を聞きながら手元の紙にメモをし、目視でのチェックを経てシステムに入力するオペレーションフローでした。作業効率が悪いうえ、確認事項の聞き忘れやシステムへの入力ミスが発生してしまうなどの課題がありました。

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  • 本事例記事の内容およびお客様のご所属・ご役職は2024年7月制作時点のものです。

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