グローバル市場での競争優位を築いた
オリエンタルモーターのグローバルWEB戦略
事例のポイント
- グローバルでの効率的な運用を見据えたWebサイトの共通基盤の考え方
- 40万点を超える商品情報を多言語で展開するための仕組みとは
- 「コンテンツの品質と量の改善」、「サイト運用にかかる負荷の軽減」の両立を狙ったオリエンタルモーター様の事例
現代の製造業は国内市場の縮小や技術革新のスピードアップにより、急速に変化する市場環境に直面しています。グローバル市場での競争が激化する中、顧客に対して適切な情報をタイムリーに届ける情報発信力や顧客の信頼を確立する強固なブランド力が競争優位性を築く鍵となります。
本事例では、海外50拠点に販売ネットワークを展開し、海外売上比率を45%以上まで拡大した、オリエンタルモーター株式会社 情報システム統括部 システム設計部 システム1課 課長の種市 敬太様に、グローバルでの情報力とブランド力の強化を行い、更なる事業拡大のためにリニューアルした「製品サイト」の取り組みと今後の展望について語っていただきました。
グローバルWebサイトをリニューアルした狙いとSCSKが担った重要な役割
弊社:まずは、今回の「グローバルWebサイトリニューアル」プロジェクトの狙い、背景についてお聞かせください。
オリエンタルモーター様:今回のプロジェクトは、「営業施策」と「情報発信施策」を合わせて、グローバルでの「情報発信力」を高め、「売上を拡大し続けること」を目的として立ち上げました。その目的を達成するために、WEB・営業インフラを全面刷新してグローバルで共通化し、日本国内向けのWebサイトと同品質の情報を全世界へ発信し、営業情報を蓄積・活用できる仕組みを構築してグローバルに展開するという施策を打ち出しました。今回、SCSKさんにご支援いただいたのは、まさにその「グローバルサイトの共通化」の部分となります。
弊社:今回のプロジェクトでは、日本サイトのコンテンツをグローバルに展開するという「コンテンツのセントラルキッチン化」を目指されました。弊社が担ったのは、それを実現する共通基盤となりますが、その役割と重要性についてお聞かせいただけますか。
オリエンタルモーター様:当社の売上の半分は海外です。したがって、今後も売上を伸ばしていくには、全世界で情報発信力を強化する、つまりグローバルサイトの強化が必須です。それを実現する手段が、グローバルサイトのインフラを共通化することでした。それによって、日本で作成したコンテンツをスピーディに多言語で情報発信できるようになります。したがって、SCSKさんにご支援いただいた共通基盤の構築は非常に重要、かつ必須の要件だったのです。
プロジェクトの概要と構築したシステムの全体像
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弊社:今回のグローバルWebの共通基盤構築で重要だったのが、「製品情報DBとの連携」「グローバルでのコンテンツの共有」「セキュリティ」の3つであり、それぞれを解決する仕組みを導入させていただきました。具体的には、基盤として「Acquia」、コンテンツをグローバルで共通化する仕組みとして「Acquia Content Hub」の活用、またコンテンツの翻訳をシステム化するため、翻訳管理システムを導入しました。
PaaS型のCMS「Acquia」を選定した3つの理由
弊社:弊社からはCMSとしてAcquiaをご提案しましたが、御社でも情報収集されたと伺っています。最終的にAcquiaを選択された理由は、何だったのでしょうか。
オリエンタルモーター様:Acquiaを選択した理由は、次の3つです。
- 1.セキュアなインフラをグローバルで展開できる
- 2.多言語展開
- 3.豊富なアドオン
1点目はセキュアなインフラをグローバルで展開できることです。インフラ管理とセキュリティの担保をグローバルで実現するには、自社でサーバを所有して運用するのは現実的ではありません。そのため、PaaSもしくは SaaSのプラットフォームが不可欠だと考えていました。また、欧州に展開するためには、GDPRなどの法規制に適合していることも大前提でした。
2点目は多言語展開できる仕組みを構築できることです。Webコンテンツは日本が中心となって制作し、翻訳して全世界に展開する方針としていましたので、コンテンツを連携できる「Acquia Content Hub」があったこともAcquiaを採用した理由のひとつです。
3点目は豊富なアドオンがあったことです。マーケティングオートメーションやパーソナライゼーションなどが別サービスとして用意されていて、必要なときに必要な機能を追加し、デジタルマーケティングを推進できるプラットフォームであることもポイントでした。
リニューアルにより実現した、「コンテンツの品質向上」と「運用負荷の軽減」
弊社:次に製品情報の全世界対応について伺います。今回のグローバルサイトのリニューアルによって、製品情報の発信力はどのように変化したでしょうか。
オリエンタルモーター様:弊社が扱っている製品は約40万点あります。リニューアル前は各国のサイトごとに製品データを保持・管理していたため各国の運用負荷が高く、国によって公開されている情報に差がありました。現地法人によってリソースにばらつきがあるため、拠点によっては情報の更新が滞ることもあったのです。また、人の流動性が日本に比べて非常に高いため、ノウハウが蓄積しにくいといった課題もありました。リニューアル後は日本でデータを一元管理できるようになったため、各国の運用負荷が大きく下がりました。また、製品データだけでなく、日本で制作した高品質なコンテンツを各国に迅速に展開できるようになりました。ただし、運用が完全に軌道に乗るには…
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※本資料の内容や所属・役職は2024年11月制作時点のものです。
企業紹介
オリエンタルモーター株式会社は1950年、東京都台東区浅草小島町にて社員5名で事業をスタートし、2024年現在では日本国内に9つの事業所と22の支店・営業所を持ち、北米・アジア・ヨーロッパに50拠点を展開する、精密小型モーターおよび制御用電子回路などの開発・製造・販売事業を展開する従業員約3000名のグローバル企業です。同社の製品は、工場での自動化はもちろん、医療・食品・交通など、あらゆる産業・分野で活用され、私達の社会を支えています。
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