オリエンタルモーター株式会社 様
グローバル市場での競争優位を築いた
オリエンタルモーターのグローバルWEB戦略
現代の製造業は国内市場の縮小や技術革新のスピードアップにより、急速に変化する市場環境に直面しています。グローバル市場での競争が激化する中、顧客に対して適切な情報をタイムリーに届ける情報発信力や顧客の信頼を確立する強固なブランド力が競争優位性を築く鍵となります。
本事例では、海外50拠点に販売ネットワークを展開し、海外売上比率を45%以上まで拡大したオリエンタルモーター様に、グローバルでの情報力とブランド力の強化を行い、更なる事業拡大のためにリニューアルした「製品サイト」の取り組みと今後の展望について語っていただきました。

- 本事例記事の内容およびお客様のご所属・ご役職は2024年11月制作時点のものです。
オリエンタルモーター株式会社
東京都台東区東上野4-8-1
https://www.orientalmotor.co.jp/ja
オリエンタルモーター株式会社様は、1950年東京都台東区浅草小島町にて社員5名で事業をスタートし、2024年現在では日本国内に9つの事業所と22の支店・営業所を持ち、北米・アジア・ヨーロッパに50拠点を展開する、精密小型モーターおよび制御用電子回路などの開発・製造・販売事業を展開する従業員約3000名のグローバル企業です。
同社の製品は、工場での自動化はもちろん、医療・食品・交通など、あらゆる産業・分野で活用され、私達の社会を支えています。
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グローバルWebサイトをリニューアルした狙いとSCSKが担った重要な役割
まずは、今回の「グローバルWebサイトリニューアル」プロジェクトの狙い、背景についてお聞かせください。
オリエンタルモーター様:今回のプロジェクトは、「営業施策」と「情報発信施策」を合わせて、グローバルでの「情報発信力」を高め、「売上を拡大し続けること」を目的として立ち上げました。その目的を達成するために、WEB・営業インフラを全面刷新してグローバルで共通化し、日本国内向けのWebサイトと同品質の情報を全世界へ発信し、営業情報を蓄積・活用できる仕組みを構築してグローバルに展開するという施策を打ち出しました。今回、SCSKさんにご支援いただいたのは、まさにその「グローバルサイトの共通化」の部分となります。
今回のプロジェクトでは、日本サイトのコンテンツをグローバルに展開するという「コンテンツのセントラルキッチン化」を目指されました。弊社が担ったのは、それを実現する共通基盤となりますが、その役割と重要性についてお聞かせいただけますか。
オリエンタルモーター様:当社の売上の半分は海外です。したがって、今後も売上を伸ばしていくには、全世界で情報発信力を強化する、つまりグローバルサイトの強化が必須です。それを実現する手段が、グローバルサイトのインフラを共通化することでした。それによって、日本で作成したコンテンツをスピーディに多言語で情報発信できるようになります。したがって、SCSKさんにご支援いただいた共通基盤の構築は非常に重要、かつ必須の要件だったのです。
プロジェクトの概要と構築したシステムの全体像
プロジェクトの概要と、プロジェクトを進めるうえで注意したポイントをお聞かせください。
オリエンタルモーター様:2022年4月から日本サイトの設計を開始し、2023年10月にはサイトを公開しています。それに続いて台湾、アジアと展開を完了し、現在は欧州サイトの準備を進めているところです。プロジェクト運営の観点でいえば、他システム・プロジェクトとの連携に非常に気を配る必要がありました。お互いのスケジュールが完全一致するわけではないため、どこがマイルストーンになるのか常に気を配りました。そのため、必要なタイミングで合同ミーティングを実施するなど、認識に齟齬が出ないように工夫しました。

SCSK:今回のグローバルWebの共通基盤構築で重要だったのが、「製品情報DBとの連携」「グローバルでのコンテンツの共有」「セキュリティ」の3つであり、それぞれを解決する仕組みを導入させていただきました。具体的には、基盤として「Acquia」、コンテンツをグローバルで共通化する仕組みとして「Acquia Content Hub」の活用、またコンテンツの翻訳をシステム化するため、翻訳管理システムを導入しました。
PaaS型のCMS「Acquia」を選定した3つの理由
弊社からはCMSとしてAcquiaをご提案しましたが、御社でも情報収集されたと伺っています。最終的にAcquiaを選択された理由は、何だったのでしょうか。
オリエンタルモーター様:Acquiaを選択した理由は、次の3つです。
- セキュアなインフラをグローバルで展開できる
- 多言語展開
- 豊富なアドオン
1点目はセキュアなインフラをグローバルで展開できることです。
インフラ管理とセキュリティの担保をグローバルで実現するには、自社でサーバを所有して運用するのは現実的ではありません。そのため、PaaSもしくはSaaSのプラットフォームが不可欠だと考えていました。また、欧州に展開するためには、GDPRなどの法規制に適合していることも大前提でした。
2点目は多言語展開できる仕組みを構築できることです。
Webコンテンツは日本が中心となって制作し、翻訳して全世界に展開する方針としていましたので、コンテンツを連携できる「Acquia Content Hub」があったこともAcquiaを採用した理由のひとつです。
3点目は豊富なアドオンがあったことです。
マーケティングオートメーションやパーソナライゼーションなどが別サービスとして用意されていて、必要なときに必要な機能を追加し、デジタルマーケティングを推進できるプラットフォームであることもポイントでした。
以上の3点を実現できる製品は他にもありましたが、相対的なCMSの進化スピードやコスト面も加味し、総合的に判断してAcquiaを選定しました。
リニューアルにより実現した、「コンテンツの品質向上」と「運用負荷の軽減」
次に製品情報の全世界対応について伺います。今回のグローバルサイトのリニューアルによって、製品情報の発信力はどのように変化したでしょうか。
オリエンタルモーター様:弊社が扱っている製品は約40万点あります。リニューアル前は各国のサイトごとに製品データを保持・管理していたため各国の運用負荷が高く、国によって公開されている情報に差がありました。現地法人によってリソースにばらつきがあるため、拠点によっては情報の更新が滞ることもあったのです。また、人の流動性が日本に比べて非常に高いため、ノウハウが蓄積しにくいといった課題もありました。リニューアル後は日本でデータを一元管理できるようになったため、各国の運用負荷が大きく下がりました。また、製品データだけでなく、日本で制作した高品質なコンテンツを各国に迅速に展開できるようになりました。ただし、運用が完全に軌道に乗るにはもう少し時間がかかると思います。たとえば、製品情報には各国共通の情報と、価格や納期といった各国独自の情報があります。その各国独自の情報をどちらでメンテナンスするかといった役割分担は、いままさに議論しているところです。
今回のシステムでは、日本語のコンテン ツを機械翻訳して英語のコンテンツにし、それを さらに各言語に翻訳して各国に展開していますが、翻訳の品質を高めるためにどんな工夫をされたのでしょうか。
オリエンタルモーター様:翻訳については、Webサイトへのアクセスごとに翻訳システムのコンテンツへアクセスする「ライブラリ/スクリプト型」ではなく、翻訳メモリを管理できる「翻訳管理システム型」を導入しました。CMSから送られてきたコンテンツを翻訳管理システムが機械翻訳し、さらにそれを人がレビューしたものがCMSに戻される仕組みです。
翻訳メモリは、翻訳のもととなる「原語」と、翻訳された「訳語」を管理する翻訳支援ツールで、翻訳の効率と品質を上げる役割を持っています。もともと弊社が利用していた翻訳メモリを導入しましたので、精度の点では大きな問題はありませんでしたが、繁体字への翻訳については事前に十分なメモリが準備できていなかったため、品質向上のために新たに翻訳メモリを準備する必要がありました。
グローバルでのブランド浸透に欠かせないサイトデザインの統一
デザイン面での成果をお聞かせください。
オリエンタルモーター様:グローバルでサイトデザインを統一することは、オリエンタルモーターのブランド浸透の一助になると考えています。そのためにデザインガイドラインを策定し、共通モジュールを使用してデザインに統一感を持たせました。現在は、トップページを含む全階層でデザインを統一できています。
また、多言語展開を意識したレイアウト設計もポイントだと思っています。たとえば、日本語と英語では同じ単語でも長さが異なります。そこで、多言語で翻訳してもレイアウトが崩れないように注意しました。また、スマートフォンやタブレットなどでも問題なく表示されるようにマルチデバイス対応も行いました…
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